自分のポリシーを持とう
製造部と品質保証部はある意味で敵対関係にあります。製造部は工数を少なくして生産したいのに、品質保証部は検査工数・確認工数を増やそうとしてきます。
この二律背反に対応することでよりよい製造組織になっていきます。
ですので、品質保証部門が弱すぎると、製造部はいわば自主練だけになり、レベルアップの速度が遅くなってしまいます。
例えば、不適合への対策会議で品質保証保証部門と原因分析や対策立案を行う場合、品質保証部門が対策を提案してくることがあります。そのときに、弱い品質保証部だと、製造部が現場で今やっている工夫を述べるだけで、今出した対策を撤回したり、こちらの発言に迎合したりしてきます。
そのような場合では、「製造部の今の対策を継続する」という結論に簡単に持っていけますが、これだと製造部としては楽なのですが、改善の速度が落ちます。
なので、相手が発言を簡単に取り下げてくるときは、「あなたの対策案は根拠のないただの思いつきだったのですか?」などと、挑発するようにしています。
言われた本人はしょぼんとするか怒るかどちらかなので、そこからの利益はあまりないのですが、周りで聞いている人があとでフォローしてくれることが多く、次に品質保証部の別の人が参加する場合には「こういう経緯だからこうするべき」というポリシーを持ってくれるようになってきます。
製造部、品質保証部それぞれがポリシーを持っていると、議論も活発になり、よい原因分析や対策立案ができます。
製造部内でも、生産管理部門と現場との関係には同じところがあります。生産管理部門としてこうするべき、というポリシーを持ち、現場の要望と戦えるようにしましょう。それが強い製造部を作ることにつながります。