所要量計算の難しさと易しさ

所要量計算は生産管理システムでの必須機能の1つです。手計算では難しい内容であり、これを行いたいがために生産管理システムを入れる選択をすることも多いのではないでしょうか。

所要量計算の難しさ

所要量計算の難しさは、その多層構造にあります。1つの製品を作るために複数の構成品を必要とし、その構成品もさらに複数の部品を必要とします。また、逆に1つの部品が複数の構成品に共通して使われることもあります。

さらに、構成品や部品は同じ品目名でも製造時期によって使えなかったり、逆に違う品目名なのに代わりに使えたりします。

必要数を準備しても、組立のときに破損させてしまい、足りなくなることもあります。そこで仕損率を高く設定すると、そんなにいらないと言われます。

不足分を補おうと調達しても、力のある班に横取りされて生産時に間に合わないこともあります。そんな班の班長の机やロッカーには、システムに計上されていない部品がたくさん入っています。

所要量計算の易しさ

市販の生産管理システムはこのような難しさに対処するために、さまざま工夫をした仕組みを備えています。

しかしながら、結局のところ、与えられた情報に従って計算する以上のことはできません。計算式さえできてしまえば、あとは計算機を動かしさえすればよく、その点からは所要量計算は簡単で易しいとも言えます。

なにが難しいのか?

いまのパソコンは所要量計算をするにあたり十分すぎる能力を持っていますので、中規模以下の製造業では計算量が多すぎるという難しさはほとんどありません。(※エクセルが数分間計算したため、パソコンが動かなくなったように見えることはあります。)

難しいのは、正確で網羅的な情報の入力です。現在の製品と部品の関係に加え、将来の関係も維持できる体制を作っておく必要があります。

効果的な所要量計算をするためには、まずは適切なデータの準備が必要です。それをせずに生産管理システムを導入すると、不確かな計算結果を生み出すだけのシステムになってしまいます。

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