資材所要量計画(MRP)の応用

資材所要量計画は、1つの製品を作り上げるのに必要な材料などの所要量を計算し、在庫と見比べて不足分を発注・生産するために使われます。

「資材(Material)」とあるため、材料や部品に対して使われることが多いですが、それ以外のリソースに対しても有効に使えることがあります。

設備・ツールの使用時数管理

製品を製造するための設備・ツールのなかには使用時数管理が必要なものがあります。例えば、10時間使ったら分解清掃する設備、100回使ったら交換する刃具などです。

これらは消費されるわけではありませんが、製品の製造に合わせて使用可能な量が減っていきます。使用可能時間を在庫とみなし、製造でそれを減少させ、メンテナンスで元の使用可能時間に増やす、とすると、材料等と同じように管理できます。

熟練技能者の割当て数管理

技能の程度に合わせた作業者管理もできます。

例えば、各作業の標準時間は、簡単に言えば一人前になりたての作業者の作業時間を基本として設定しますので、熟練作業者はたいてい標準時間以下で作業できます。

短時間で作業ができるので、作業には熟練作業者を割り当てたいのですが、熟練作業者は安全衛生・改善活動・実績まとめなどの管理業務も多く持っていることが多く、いつも現場にいられるわけではありません。

そこで、熟練作業者の月間現場作業可能時間を設定し、それを上限目安として作業を割り振る方法があります。

なお、あくまで「熟練作業者」の時数管理としておき、特定の人名は入れないほうが、運用しやすくなります。

最低必要作業量の管理

上の熟練作業者管理の逆として、資格維持のため一定期間に一定以上の時間・量の作業をしなければならない場合があります。

このようなときも、最低必要作業量をあらかじめ割り当てておくと管理しやすくなります。対象製品の製造があるときに作業させ、最低作業量をマイナスしていき、一定期間でゼロ以下となるよう計画します。

同じ考え方で、不適合対策を引き続く何ロットかで確認するような場合にも応用できます。特に、次のロットの生産がすぐにはないときに効果的です。「是正対策」などの品目を消費するようにしておくと、適用忘れを予防しやすくなります。

まとめ

資材所要量計算の応用を紹介しました。実体として消費しないリソースでも、時間や回数を代わりに増減することで、材料等と同じ要領で管理ができるようになります。

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