生産管理で顧客満足を高める
企業が存続するためには、ある程度以上の顧客満足を得続ける必要があります。
顧客満足は顧客のその時の状態によって変化します。同じ製品を同じ品質、価格、リードタイムで提供しても、満足してもらえたり、してもらえなかったりします。
短時間で欲しいときには短いリードタイムで提供し、時間がかかってもよいときは生産効率優先で低コストで製造して提供するなど、状況に合わせた対応が必要です。
生産管理から顧客満足を高めるには
顧客が求めるものは、製品そのものの他にもあります。営業担当者の対応だったり、カスタマーサービスにすぐ連絡がついたりなど、製造業であってもサービス面から顧客満足を高めることができます。
では生産管理というサービスではどのようなことができるでしょうか。
例えば、顧客が当社から納品する製品を使って後工程を行う場合を想定します。
このとき、当然必要になる、いつ納品されるか、という情報に加えて、いまどこまで工程が進んでいるのか、という情報もあるとどうでしょうか。注文した品物がきちんと管理されていると感じ、顧客の安心、ひいては顧客満足につながってきます。
これは、顧客がその情報を見て、何かアクションを取る(注文品が出荷検査工程にあるので前倒し納品依頼をする、など)場合はもちろん、ただ確認するだけで、何もアクションを取らない場合でも効果的です。
例えば、パソコン作業をしていて、「ダウンロード完了まであと60分」という表示だけの場合と、「ダウンロード完了まであと60分 15%完了」という表示の場合、後者のほうが安心します。結果はどちらも同じですが、現在の進捗を知らされるだけで満足度が上がります。
生産管理サービスの追加効果
また、現在の進捗をすぐに伝えられるということはそれだけ生産統制のレベルが高いということを暗に示すこともできます。
さらに、顧客または営業部門がすぐに進捗情報にアクセスできるのであれば、工場従業員も容易に情報にアクセスできるはずなので、各従業員が計画に沿って自律的に活動している、と期待させることもできます。
まとめ
生産管理部門は直接製造をするわけではありませんが、生産管理で提供するサービスによって顧客満足を高めることができます。
特に、進捗管理を社内だけでなく、営業部門を通じて顧客にも知らせることで、顧客の安心感・満足度を高めることができます。また、自社の管理レベルの高さをアピールすることもできます。