小日程計画を自動化するために

生産管理部門の主要業務の1つは、小日程計画の作成です。

この作業は高頻度で発生する割に(外注管理などと比べたら)比較的単純なので、できれば自動化したい案件です。

スケジューラーの難点

小日程計画の自動化のために使えるスケジューラーは市場に多くあります。ただ、スケジューラーをいざ導入しようとすると、なかなか難しいところがあります。

うちは多品種少量の受注生産、とスケジューラーの営業担当者に予め伝えているにも関わらず、営業担当者は必ず次のことを聞いてきます。

「設備ごとのキャパはどのくらいですか?」

「その一連の工程は、どのくらいの時間がかかりますか?」

「工程間の待ち時間はどのくらいですか?」

・・・多品種少量の受注生産で、それらを製番ごとに設定できているわけがないですよね。

そんなものはない!と答えると、営業担当者は薄ら笑いを浮かべて、「まずはそれらを設定してからですね」と言って帰っていきます。

なので、じゃあ自作するか!となるわけです。

日程計画の要領

受注生産の場合、製番別に、次の順番で情報を入れていきます。

①納期の設定

②ボトルネック工程から納期までの日数設定

③ボトルネック工程の所要時間の決定

→ボトルネック工程開始(実施)日が決定される。

以上です!

ボトルネック工程以外は計画しません。

(工程別の所要時間を把握できておらず、どの工程がボトルネック工程なのか分からないような場合は、感覚的に一番大変な工程をボトルネック工程とします。)

乱暴に見えますが、意外とこれだけでそれなりの小日程計画(案)が自動的にできあがります。

ただ、それなりの計画なので、これに対して生産管理部門が負荷の平準化を手作業でするのは残ります。残りますが、(案)があるだけで小日程計画作成の労力を大幅に下げることができ、作成者間のばらつきも抑えられるようになります。

まとめ

小日程計画を自動化するために、全製番、全工程の標準時間を設定したり、設備ごとのキャパを設定したりする必要はありません。

市販のスケジューラーを使わなくても、ボトルネック工程さえ押さえておけば、それなりの小日程計画を短時間で作ることができるようになります。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です