ABC分析の使い方
在庫管理において、品目別の管理方法の目安をつけるためにABC分析が使われます。 分け方は使用頻度、金額、リードタイムなどが考えられますが、使用頻度で分けることが多いかと思われます。
使用頻度で分けた場合、高頻度で使う品目をAランク、中程度をBランク、低頻度をCランクとします。なお、何をもって高頻度、中程度、低頻度とするかは組織の考え方次第です。
ここで焦点を当てたいのがCランクの品目です。Cランクの品目は「欠品を起こしてもよい」品目と説明されることが多いですが、ここではあえて「欠品させる」品目として捉えることを提案します。
つまり、組織の購入品リストには載っていて、必要時には発注できるが、普段は保有していない、という状況とさせます。
また、使ったあとに余った場合でも、保管せず廃棄するようにします。
Cランクの品目を持たないメリット
まだ使えるのにもったいない、と感じる方が多いかと思いますが、Cランクの品目は持たないほうが大きなメリットがあります。
第一に、スペースが空きます。使用頻度が低い品目のために使っていたスペースを使用頻度が高い品目に振り直すことでより在庫管理がやりやすくなります。
第二に、保管コストが下がります。その品目の品質を維持したまま保管するのには定期的な清掃や機能確認が必要になります。この保管を、発注までメーカーにしてもらえるメリットがあります。
第三に、資金融資の際に有利になります。在庫を減らすことにより使っていない資産が減少すると、ROA(総資産利益率)や棚卸資産回転率などの財務指標が改善します。すると銀行等からの融資を受けやすくなります。使わない在庫が使えるキャッシュになって返ってくるわけです。
まとめ
在庫管理のABC分析のうち、Cランク品目の扱いについて提案しました。
使用頻度が低い在庫は手放したほうが多くのメリットがあります。例えば3年間在庫変動がない品目は処分するなどして、効果的な在庫管理を進めていきましょう。