進捗管理を簡単に行う方法
多品種少量生産を行っている場合、さまざまな仕様の製品が、さまざまな設備・ツールを用いて、さまざまな作業者が加工・組立して生産しています。このような状況で完璧な進捗管理を行うのは、管理できる変動要素が多すぎるため、かなりの困難を伴います。
進捗管理管理を簡単にし、かつ、効果的に行うためには、このたくさんの変動要素を、あえて「管理しない」ことが大事です。
進捗管理は、生産計画とのズレを把握して、現在または将来の生産計画を修正するために行います。その点から考えると、生産計画を修正する必要のない工程・作業は、進捗管理をしてもしなくても変わりません。
進捗管理をするべき工程の第一はボトルネック工程です。この工程の遅れ進みが納期に直接影響してきますので、まずはこの工程が計画とどのくらいずれているのかを把握するようにします。
ボトルネック工程の計画と実績の差を確認したならば、次はその差を修正していきます。遅れの場合と進みの場合がありますが、私は遅れの場合の修正により重点を置いています。
ボトルネック工程の遅れは納期遅れに直結します。それ以外にも遅れを取り戻すための時間外対応が発生します。さらに、遅れが状態化してしまうと、計画を守る意識自体が薄れてくることもあります。
逆に計画よりも進んでいる場合は、手待ちのムダが生じたり、その時間を別の生産に当てることで作り過ぎのムダを生じさせたりする懸念はありますが、設備の点検整備をしたり、作業者のOJTができたりというよい面もあります。
進捗管理を簡単、かつ、効果的に行うためには、ボトルネック工程の進捗把握に注力することと、そこに遅れが出ないような計画を作るようにしていきましょう。現場から生産管理に来た人は、余裕が多くてスカスカな生産計画を作ることに不安を覚えるかもしれませんが、その余裕が結果としてスムーズで効率的な生産につながります。