生産管理でのミーティングアンチパターン
生産管理部門として計画を立て、実績を確認して統制を取り、計画を修正するのは日常的な仕事です。そして、これらの仕事のあとには現場への連絡が必ず発生します。
現場への情報伝達がうまくいかないとせっかく作った計画が実行されません。ここではうまくいかない代表例(アンチパターン)を3つ挙げていきます。このような伝達にならないように注意しましょう。
ミーティングの内容が関係者に伝わっていない
数十人規模の部門になると、朝礼が班ごとに行われ、その後班長の朝礼があり、その後に班長の代表数人が工場全体の朝礼に出席する仕組みにしていることがあります。
このようなときに、全体調整の場で生産管理部門からから「A班の設備が故障した。他の班も同種の故障の兆候がないか点検してほしい。」と伝えたとしても、参加している班長がA班からだったら、A班の不具合をわざわざB班に伝えないかもしれません。また、B班に伝えに行く前に自分の急ぎの仕事を始めてしまうかもしれません。
代表者が出席する会議やミーティングでは、計画や変更の方針を伝える程度にし、依頼事項や詳細説明は個別の班や個人に伝えるようにしましょう。
情報だけで、そこから何をしてほしいのかがわからない
「先月の生産量は900単位でした。今月の生産量は1000単位です。」と言った場合、購買部門、製造部門、設備保全部門で感じ方はそれぞれ違います。
生産管理部門としては、購買部門では「材料を10%多く発注しておこう」、製造部門では「生産時間が不足するから残業してもらう下調整をしておこう」、設備保全部門では「設備を停めづらいので定期整備は来月にしておこう」など、各部門に関係した動きを取ってもらうことを期待しています。
しかしながら、実際は「材料は足りなくなりそうならそう言ってくるはず」「10%増程度なら対処内なしで大丈夫なはず」「定期整備の計画はもう伝えてある。その通りにやるのでその日設備は動かせない。何を考えてるんだ!」のように、とりあえずは何もしないという判断を取られがちです。
情報を伝えるときは、その後に取ってほしい行動も合わせて伝えるようにしましょう。
全部話してしまう
慣れていない担当者がやりがちなアンチパターンです。その日の生産計画を全部読み上げたり、昨日の不具合の内容をひとつひとつ細かく説明したりしてしまいます。
このように長々と話すと、ミーティング参加者は、知っていることは聞かず、知らないことには耳を貸さなくなってしまいます。
ミーティング時は重要な変更点だけを伝えて、残りはメール連絡とするなどのメリハリを効かせるようにしましょう。
まとめ
ミーティングの内容が伝わらないアンチパターンを紹介しました。生産管理のミーティングでは、参加者に生産計画を理解してもらい、それぞれの部門での行動につなげてもらうことが必要です。そのために、必要なメンバーに、必要な情報と行動を、簡潔に伝える、ように心がけていきましょう。