ボトルネック工程以外で滞留する理由
日程計画の基本はボトルネック工程に注目することです。ボトルネック工程さえ適切に計画できていれば、それ以外の工程はやや雑に作ってもなんとかなります。
しかしながら、ボトルネック工程以外で仕掛品が滞留することもよくあります。
不適合・再加工でスムーズに工程が進まなかった、資材が適時に入ってこなかった、設備が故障した、などの理由もありますが、多いのは生産管理部門の介入のしすぎで生まれた副作用です。
生産管理部門の介入による滞留
日程計画をするときに、生産能力が100%発揮されることを見越して計画することはまずないかと思います。生産能力の80〜90%くらいで計画することが多いのではないでしょうか。
残しておいた余裕は、トラブル発生時の処置など、一時的な仕事に使います。(もちろん、一時的な仕事がなければ作業者所定で自由に使わせます。)
一方で、生産は連続して行うほうが効率的です。短時間、低コストで作業できます。
なので、いま加工している製品と同じ仕様の製品の受注が来たなら、「いま加工しているなら、まとめて加工させよう」とします。実際、日程計画に割り込ませこともできます。
このとき、ボトルネック工程の加工設備には載せられるかもしれません。ただ、それをするためには入荷検査や前処理が必要になります。
普段ならそれらの時間は気になりませんが、急に入った加工予定には容易に対応できないかもしれません。また、負荷の大きくなった前工程から「納期に余裕があるのに、なぜいま加工するのか?」と不満がでることもあります。
現場を見すぎないようにする
生産管理部門は短納期、低コストでの生産を目指します。また、現場と作業実績を見て、自身の作った計画が適切だったかを見て、修正ことも大事です。
ただ、現場の動きに合わせて日程計画を細やかに修正しすぎると、小さな不調が積み重なっていきます。結果、がんばっているのに成果が出ない、現場から不満ばかり訴えられる、となってしまいます。
また、現場も、計画の修正が多すぎると当初の計画を守ろうという意識が薄れてきてしまいます。
日程計画を始め、生産計画は予め定めた基準から作ります。そして、いったん基準が周知されれば、管理される側も安心して計画が出るのを待ち、計画を守ることができます。
現場の動きに合わせ、修正を入れすぎると基準があいまいになります。それは、管理部門が管理できていない状況を作り出す、ということになります。
ボトルネック工程以外での停滞は生産管理部門の余計な介入の結果のことがあると、気に留めておきましょう。