設備が少ない場合の山積み・山崩し、圧縮
山積み・山崩しは生産計画、特に小日程計画で使います。ある工程の設備別の標準時間と生産予定数量から設備負荷を算出し、仕事不足の設備と能力不足の設備を特定して、仕事の割当てを修正します。
(設備負荷を算出するに当たり、製品ごとの標準時間が必要になります。標準時間を設定するやり方は別ページを参照ください。)
ここでの問題は、工程別、設備別の標準時間を得られたとしても、一番重要なボトルネック工程には「能力不足」の設備しかないことです。特に、汎用機の台数が少ないときに顕著です。
ある意味これは当たり前で、ボトルネック工程は能力不足のために生じているのであり、また、ボトルネック工程以外の設備はボトルネック工程に転用できません。能力不足の設備の負荷を、仕事不足の設備に割り振ることはほぼできません。
使える設備が限られている場合、山積みのあとは山崩しではなく、山を圧縮するよう検討します。標準時間を短くするために付随作業時間や準備段取作業時間を短くします。例えば、仕事不足の設備から応援をもらって外段取り、内段取り作業を複数人で行い、正味作業時間以外の時間を減らします。
山積みは設備の負荷を可視化するときに有効ですが、その負荷を抑えるときには山崩しだけではなく、山を圧縮するという選択肢も検討するようにしましょう。